むかしむかし、あるお寺におしょうさんが住んでいました。
很久很久以前,有一座寺廟裡住著一位和尚。
ある日、おしょうさんは見事な茶釜を手に入れて喜んでいました。
某天,和尚得到了一個漂亮的茶壺,感到非常高興。
「こりゃいいものを見つけた。じつにいい形をしとる」
「真是找到好東西了。它的形狀實在是好啊。」
おしょうさんは、茶釜を床の間において、毎日大事にながめていました。
和尚把茶壺放在床之間,每天都仔細地觀賞著它。
ある日のこと、茶釜を眺めていたおしょうさんは
有一天,當和尚在看著茶壺時,想到
「そうじゃ、ながめていてばかりでももったいない」
「對了,光是看著它真是太浪費了。」
「こんなすばらしい茶釜の茶はどんなにおいしいんじゃろう。さっそくお茶をいれてみよう」
「這麼美妙的茶壺煮的茶一定很好喝。我馬上來沖一壺茶試試看。」
おしょうさんは茶釜に水をいれ、火にかけました。
和尚把水倒入茶壺裡,然後放上火爐。
茶釜はだんだん熱くなってきます。
茶壺開始漸漸地變熱了。
ぶんぶくぶんぶく ぶんぶくぶんぶく
もぞもぞ、もぞもぞもぞっとなにか動いたかと思うと
茶壺裡似乎有什麼東西在動。
「あちち!あつい、あつい!」と茶釜が叫びだし、
「燙、燙啊!好燙啊!」茶壺大喊道。
茶釜からタヌキのしっぽが出てきました。
茶壺裡出現了一條狸貓的尾巴。
「たいへんだ 茶釜からしっぽがでたわい」
「了不得,茶壺裡長出了尾巴呀!」
すぐにしっぽは引っ込みましたが、おしょうさんは気味が悪くなり、ふる道具屋の男へ茶釜を売ることにしました。
尾巴很快就縮了回去,但和尚感到很不舒服,就決定把茶壺賣給一個古董店老闆了。
ふる道具屋の男は、良い茶釜が手に入り喜びました。
古董店老闆得到了這個好茶壺,非常高興。
「こんな良い茶釜ならきっと高く売れるぞ、明日街に売りに行こう」古道具屋の男はそう思いました。
「這樣好的茶壺一定能賣個好價錢,明天去街上賣吧。」 古董店老闆這麼想著。
その日の夜、どこからともなく声が聞こえてきます。
那天晚上,不知道從哪裡傳來了聲音。
「すみません、すみません。僕は茶釜に化けたタヌキです。茶釜の中で寝てたところをおしょうさんに持っていかれたので、茶釜に化けていたのです。」
「對不起,對不起。我是一隻化成茶壺的狸貓。我在茶壺裡睡覺時被和尚拿走了,所以就幻化成茶壺。」
古道具屋の男は驚いたものの、タヌキの話を聞いていました。
古董店老闆雖然感到驚訝,但還是聽著狸貓的話。
「どうか、僕を売らないでください。僕が芸をするので、見せ物にしてもらえれば、きっとたくさんお金がもらえます」
「拜託,請不要賣掉我。我可以表演,如果讓我耍雜技,一定能賺到很多錢。」
とタヌキがいうので、次の日、男はさっそく街に出かけ、タヌキの茶釜の見世物小屋を始めました。
於是第二天,老闆馬上去了街上,開始了狸貓茶壺的雜技小屋。
「さあさ、よってらっしゃい、みてらっしゃい、世にも珍しいぶんぶく茶釜が綱渡りをするよ」
「來喔來喔,走過路過不要錯過,世上少有的分福茶釜會走鋼絲喔。」
と男がいうと、タヌキは踊りながらつなをわたしました。
當老闆這麼說時,狸貓跳著舞走上了鋼絲。
「おお おみごと!日本一のたぬきだ」「すごいすごい」
「哇!真是精采!日本第一的狸貓!」「好厲害 好厲害」
それを見たお客さんは大喜び。
看到這一幕的觀眾都非常高興。
それからこの見せ物小屋には毎日たくさんのお客さんが集まりました。
從那時起,這個雜技小屋每天都吸引了很多觀眾。
こうして男とタヌキは幸せに暮らしました。おしまい
就這樣,老闆和狸貓過著幸福的生活。故事完。
單字
見事【 みごと 】 | 出色的、精彩的 |
茶釜【 ちゃがま 】 | 茶壺 |
床の間【 とこのま 】 | 壁龕 |
眺める【 ながめる 】 | 凝視、觀看 |
もったいない | 浪費的、可惜的 |
早速【 さっそく 】 | 馬上、立刻 |
もぞもぞ【 もぞもぞ 】 | 蠕動、悄悄地 |
タヌキ【 たぬき 】 | 狸貓 |
引っ込む【 ひっこむ 】 | 縮回、收起 |
気味が悪い【 きみがわるい 】 | 令人不舒服的 |
古道具【 ふるどうぐ 】 | 古董 |
化ける【 ばける 】 | 變成、變形 |
見世物【 みせもの 】 | 雜技、雜耍 |